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7.避妊手術を試みる

 8月24日。朝7時半に起きた。先に起きていたJKがベランダを見てみるとにゃーんはキャリーバッグの中に入っていたそうだ。しかしJKを見るとすぐ出てきてしまったので、にゃーんが中に入ったままキャリーバッグのふたを閉めるのは無理だった。

 そこで部屋の中に入れ、窓を閉めた。すると不安になったのかかなりうるさく鳴いた。JKがキャリーバッグを縦にして押さえ、私がにゃーんを抱き上げてその中に入れた。うまくいった。

 でもここからが大変だった。バッグの中でにゃーんは暴れて、「ナァウ、ニャアオ」と低くうなるようなすごい声で鳴き続けた。中から体当たりしたりかみついたり、もがいたりして、バッグが破けそうだった。これには参った。

 こんなに鳴き続けられては、近所中に聞こえてしまうじゃないか。どうしよう!2人に緊張感が走った。

 すぐにでも外に連れて行きたかった。だけど病院の開始時間までまだ2時間以上あった。しかも起きてすぐだったので、2人とも出かける準備が何もできていない。でも2時間もこのままでいるのは到底無理と思い、隣の区に住む伯母に電話して避難させてもらうことにした。それでも、服を着替えたり車を玄関前に持ってきたりで、やっと出かけられたのは8時20分頃。

 ところが、キャリーバッグを持ち上げて歩いたとたん、ず〜っと鳴き続けていたのがうそのように静かになってしまった。玄関を出て車に乗るまでに鳴かれることを一番恐れていたのに、にゃんとも言わなかった。

 車が動くと少し「にゃ」と鳴いていたが、伯母の家に入って玄関にバッグを置いたら全く声を発しなくなってしまった。ショック死したんじゃないかと心配になったほどだ。結局、伯母はにゃーんの声を一度も聞くことがなかった。

 それから10時直前ぐらいに病院に行き、ようやくにゃーんを預けることができて一安心した。そのままホームセンターへ行って、猫トイレ、エサの大袋、毛取りブラシなど猫グッズを買った。前に買った猫じゃらしは壊されてしまったので、ゴムひもに毛玉の付いた猫じゃらしも買った。

 しかし!こんなに苦労して連れて行ったのに、夜病院へ引き取りに行ったらなんとすでに避妊手術済みだったことが判明してビックリした。獣医さんが言うにはお腹に傷跡があったとのこと。じゃあこの前の発情は何だったんだ?いやそれより、この猫は一体どこから来たの?もしかして、どっかの飼い猫なのか?と冷や汗が出てきた。


 帰りもにゃーんは静かだった。家に入ってもしばらくは静かだったが、バッグを床に置いてエサの用意をしているとにゃーにゃー鳴き出した。バッグのふたを開けてやると、にゃーにゃー鳴いたまますぐには出てこない。やがて出てくると、エサが目の前にあるのに無視して窓のほうに行った。よく見ると足が湿っている。肉球で汗をいっぱいかいていた。窓を開けてやるとすぐさま外に出て行った。ベランダの柵から外を見たり、うろうろしていたが、エサをベランダに置くと食べに来た。キャリーバッグの中はおしっこ臭くてたまらなかった。

次の日の夜。なにごともなかったかのように、食べていた

 怖い目にあったので、にゃーんはもう来なくなってしまうのではないかと思ったが、次の朝も夜もちゃんとごはんを食べに来た。すりすりしてきて、なでさせもする。昨日のことなど忘れてしまったかのようだった。もしかしてお前はおバカちゃんなのか?と私たちは話した。

 だけど、怖い目にあってもなおゴハンをもらいに来るということは、やっぱりにゃーんは飼い猫ではないという証明にもなった。飼い猫だったら、わざわざ来ないだろうから。

 ベランダに設置した猫トイレは、いちおうにおいをかいでいたが、使う様子はなかった。でも数日後の夜、猫トイレにおしっこらしきものが固まっているのを発見した。にゃーんが使ったのだろうか?

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