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5.ノラ猫ボランティア

 7月の終わり頃から、猫のことをなんとなく「にゃーん」と呼ぶようになっていた。本当に「にゃーん、にゃーん」とよく鳴く猫だったからだ。

 8月3日、伯母から電話があった。「猫おばさん」S藤さんから、とあるボランティア団体のことを聞いたそうだ。そこに連絡すれば、ノラ猫でも診てくれる獣医さんを紹介してくれるし、いろいろ相談にのってくれるのだという。飼い猫だと2万円ぐらいする手術費も、そういう紹介があればもっと安くで済むらしい。

 8月7日、そのボランティア団体に電話してみた。中年の女性が出て、ノラ猫とつきあっていくためのノウハウなど、いろいろ親切に教えてくれた。そして獣医さんの紹介状を郵送してくれることになり、2日後、それは届いた。


 猫ボランティアさんにアドバイスされたことのひとつに、猫トイレを設置したほうがよいということがあった。猫のなわばりには必ず猫が排泄する場所もある。猫の排泄物はかなり臭いので、ノラ猫が嫌われる原因のひとつになっているのだ。だから、猫トイレを設置してきちんと掃除をすれば、それだけでもだいぶ周囲の反感は薄れるというわけだ。

 そこで、ホームセンターへ行って、猫トイレと猫トイレ用の砂を見た。パッと見た感じ「にゃんとも清潔トイレ」がなかなかよさそうだったが、結局どれがいいのかわからないので買わなかった。こういうのは猫を飼っている人に聞いたほうがよさそうだとJKは言った。

 帰りに、たまたま入った雑貨屋で猫を入れるキャリーバッグを買った。動物病院に行くときマンションの人に見られても怪しまれないよう、なるべく普通のバッグに見えるものが良いと思っていたのだが、赤いデニムのバッグがあったので、それに決めた。

実際には、キャリーバッグの中にはなかなか入ってくれなかった。しかたないので、せめて家の中に入れて食べさせることにしていた

 さっそくこのキャリーバッグに猫が入るようしむけてみた。バッグのふたを開けて中にエサを置き、猫が自然と中に入るように訓練するのだ。

 しかしこんな赤いバッグは目立つし、いずれ猫トイレを置くようになったら庭から丸見えなので、ベランダ用の簾を買ってきて取り付けた。にゃーんが出入りできるよう、左端だけ短い簾を付けて、まるで「猫ドア」のようだった。これではかえって目立つような気がしないでもなかったが・・・。

 8月12日、獣医さんに電話するが不在だった。しまった、お盆休みか?

 8月14日、獣医さんに行ってみた。やはり夏休みだった。のんびりしてないですぐ電話するんだった・・・。

 そしてこの日、とうとう発情期が始まってしまった!夜中に猫がけんかしているような声がしたのでベランダをのぞくと、見慣れない大きな猫がいて、ベランダのすみっこでにゃーんが小さくなっていた。大きな猫は、私を見るとにゃーんの横をすりぬけて逃げて行った。

 そしてしばらくすると、発情期の猫特有の「にゃ〜ご」という声がしてきた。少なくとも2匹以上はいるような大合唱だった。たぶんさっきの大猫はオスで、にゃーんは交尾してしまったかもしれない、と焦った。

 8月15日、ようやく獣医さんに連絡がついた。でも今週末は手術の予約でいっぱいらしく、結局1週間後になってしまった。

 あわわわ、その間にもにゃーんが妊娠してしまわないだろうか?なんでも、猫というのは交尾した刺激で排卵がおこるため、ほぼ確実に妊娠する体になっているという。もし妊娠していたら、それでも避妊手術ってできるんだろうか?いろいろ心配だった。

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