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4.里親探し

 T也先輩と、K田さんからは即座に返信がきた。二人とも猫は飼ってみたいけど、残念ながら飼えないという返事だった。でも知り合いに転送してくれるそうだ。

 あらためて里親探しのノウハウをネットで調べてみた。予想はしていたが、子猫と違って成猫の里親探しは大変らしい。ある人の経験では、4ヶ月かかったそうだ。そんなに根気よく待ってられるかい!里親探しは困難を極めそうだという予感に、また気持ちが揺れた。

 JKに「引っ越すって言ったらどうする?」と聞くと、「引っ越してどうするの?あの猫を連れて行くの?うちの猫でもないのに?触らせない猫なのに?猫なんかいたら今みたいにパソコンをその辺に置いてたりできないんだよ。クッションだってぼろぼろにされるし、こんなオープン棚なんか置けないよ?」と怒られてしまった。よけい憂鬱になった。


 7月18日。会社の猫好きJさんにも里親探しをしていることを言っておいた。でも「一応聞いてみますけど、猫好きで、飼える環境にいる人ってすでに飼ってることが多いから、もう1匹飼うのは難しいかも」とのことだった。

 数日して、C葉さんから返信がきた。やっぱり猫は飼えないという返事だったが、「うちで飼えたらなあ」といっていた。C葉さんが猫に興味を示すとは思わなかったので驚いた。でも、K田さんもそうだけど「飼いたいけど賃貸だから飼えない」という人は案外多いのかもしれないと思った。

 C葉さんは「よかったら社内で募集しようか?」と申し出てくれていた。でもこのときから、なんとなくにゃんこはもらい手が見つからなくて結局うちで飼うことになるような予感がしていた。難しく考えず、成り行きにまかせてみればいいかもしれない。そんなふうに考えることにした。

 7月20日。朝、久しぶりに洗濯ものを干していたら、にゃんこが来た。例によってニボシをあげると、うまそうに食べていた。

 その午後、JKとニコタマの「ねこたま」「いぬたま」へ行ってみた。「ねこたま」の猫たちは猛暑にだら〜んとしていた。唯一元気なのは、毛がない種類の「スフィンクス」という猫だった。ここは夏に行くもんじゃないな、と思った。里親探しの手がかりになるようなことはないかと期待したが、何も収穫はなかった。

 ちなみに、「いぬたま」に行ったら人がたくさん集まって何かを待っていた。ドッグショーかと思いきや、犬の散歩をさせてもらえるというイベントだった。入場料を払ってまで犬の散歩をしたい人がいることに驚いた。

 そういえば、本屋に行くと犬の雑誌や飼い方ノウハウ本がたくさんある。猫の情報を求めて棚を探しても、猫の本は2,3冊なのに、犬本はやたらと充実しているのだ。7対3ぐらいの割合で犬本のほうが多いように感じた。世間一般は犬ブームなのだ。

 ところで、この日の帰りに立ち寄った本屋でとうとう坂崎さんの「ネコロジー」を発見した。早速買って読んでみた。坂崎さんは本当にすごい人だ。あんなにテレビ出演やコンサートで忙しいのに、こんな活動をしていたとは・・・。尊敬したい。JKにもぜひ読むよう薦めた。

 その夜、235からまたメールがきた。「友達の友達が飼ってくれるかもしれない。もう少し待って」とのこと。そこでC葉さんには社内募集の件をお断りしておいた。

 「ネコロジー」に、ノラ猫にはマグネシウムの少ないカリカリ(固形のエサ)をあげたほうがよい、と書いてあった。猫は尿道結石になりやすいからだそうだ。それを読んだせいか、JKが「猫にエサをあげるんならカリカリをあげたほうがいいかねえ。あんなニボシだけじゃ栄養が偏る」と言いだした。猫を飼うことを折れたとも思える発言にちょっとびっくりした。

干したふとんの影で長々と寝そべる

 次の日、さっそくカリカリ(猫大好きフリスキー)を買ってきた。夜11時ごろにゃんこがやって来たので、カリカリを与えた。最初はカリカリのにおいをかいでいたが、すぐ食べた。どうもこの猫は食べ物ならなんでも食うらしい。

 ところで、以前から猫が水を飲んでいるのか気になっていた。マンションの周りには、水飲み場になりそうなところは見当たらない。それで、カリカリをあげるようになってからは、使わないタッパーに水を入れて、いつもベランダに置いておくようにした。


 会社のJさんと、また猫の話をした。猫を飼ってくれるかどうか知り合いに聞いてくれたそうだが、案の定みんなダメだったらしい。

 そのころ、隣の区に住む伯母も、猫を飼う人がいないか周りに聞いてくれていた。でもやっぱり反応はいまいちだったとか。猫好きな人はすでに飼っていてこれ以上は無理だし、なかには自分が年をとったので猫の一生をみてあげられる自信がないからもう飼わない、という人もいたそうだ。 

 235の友達の友達、というのも結局はダメだったようだ。やっぱり成猫を飼ってくれる人なんて、そうそういないものだと改めて思った。

 それはともかく、にゃんこが子猫を生んだりしてこれ以上ノラ猫が増えないうちに、不妊手術だけでもしておいたほうがよいと思っていた。伯母の友人に、ノラ猫の世話をしている「猫おばさん」がいるというので、獣医さんのことを伯母から聞いてもらうことにした。

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