2.ノラ猫を学ぶ
私は犬を飼ったことはあるが、猫のことはまったく知らないし、JKは動物を飼ったことさえなかった。そこで、ともかくノラ猫のことを知ろうと思い、インターネットで調べた。
最初に見つけたのは「のらねこ学入門」というサイトだった。そこでアルフィーの坂崎さんが書いた「ネコロジー」という本のことを知った。
アルフィーの坂崎さんといえば、忙しい芸能人のはず。その人が、何匹ものノラ猫の面倒をみたり猫のもらい手探しをしたりという地味な活動をしているのだ。ノラ猫との暮らしをつづったフォトエッセイ「ネコロジー」を是非読んでみたくなり、あちこちの本屋で探し求めたがすぐには見つからなかった。
他にも「ねこだすけ」というNPO法人のサイトや、個人の方による「のら仔猫保護活動手記」のページ、「Hello!Nyanko」、「のらねこ相談室」などの情報を読みまくり、「地域猫」活動や避妊手術など、ノラ猫をとりまく状況を知った。
ノラ猫ボランティアは組織的なものから個人的なものまでいろいろあるけど、「去勢手術・避妊手術をすることで、これ以上ノラ猫を増やさない」ということが共通した考えのようだ。そもそもノラ猫なんてものはいなくて、もとをたどれば人間に捨てられてノラ化した猫の末裔なのだそうだ。猫というのは人間が飼うために改良されたのだから、本来人間の庇護がなければ生きてはいけないのだという。
ノラ猫にエサをやる人がいれば、それを快く思わない人も出てくる。ノラ猫を嫌う人は、「エサをやるから猫が増える。だから、エサをやるのをやめれば猫もいなくなる」と考える。でも、「エサを食べるから猫が増えるのではなく、交尾をするから増えるのだ。エサをあげるのをやめても、エサがあるところに移動するだけ。それではノラ猫は減らない」と猫ボランティアさんたちは考えている。
ノラ猫を捕獲して動物病院に連れて行き、手術をして、またもとの場所に放す。手術した猫たちからは、もう子猫が生まれることはない。そしてその猫たちが寿命をまっとうして死んでいけば、やがてノラ猫はいなくなる。ノラ猫の寿命はせいぜい4〜5年程度。そのあいだは、「エサやりさん」たちが猫のゴハンの面倒をみるのだ。猫ボランティアの活動というのは、結局はノラ猫撲滅運動でもあるわけだ。
ちなみに、トラ柄にも種類があって、うちに来る猫は「キジトラ」と呼ぶ※ということも初めて知った。本当に猫のことを何も知らなかったので、ひとつひとつが驚きだった。
※腹毛が白いのは「サバトラ」ともいうらしい。あるいは「キジシロ」という呼び方もあるようだ。
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| この頃はまだ、ちょっと離れた場所で寝転がっていた |
やがて猫のことで頭がいっぱいになる。うちで飼えればなぁ・・・。人の顔を見て鳴くノラ猫は、飼われた経験があると思って間違いないらしい。それなら、このにゃんこを飼いならすことができるかもしれない。でもJKは猫を家に上げることに反対していた。大学時代、子猫を家に入れたらウンチをされて大変だったからだそうだ。
ところがこの頃、私に異変が起きた。猫のことを考えすぎたせいか、猫がいないはずのときも猫の鳴き声が聞こえるような気がするのだ。
このにゃんこはやたらと鳴く猫で、エサをもらえるまでやかましく鳴き続けた。その声が、耳について離れなくなってしまったのだ。
7月10日、台風がきた。にゃんこの寝床はベランダ下の排水溝のようなので、雨で水があふれないか心配だ。夜、「にゃ〜にゃ〜」と鳴く声が下のほうから聞こえてきた。そうだ、こんな雨の日や雪の日はどうなるんだろう?とまた気になってしまう。
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| サンダルがお気に召した様子 |
ある日「猫の飼い方」本を買ったら、「気まぐれでエサをもらうノラ猫は不幸」と書いてあった。もし近所から苦情が出たりして、そのときになってエサやりを中止するのは残酷なことだ。最後まで責任を持てないなら、最初からエサを与えるべきではないし、エサを与えるなら自分で飼うか、里親を見つけるべきだというのだ。
たしかにそうかもしれないと思った。でも、もう私には猫がエサをねだる声を無視することができなくなっていた。かといって、このマンションでは絶対に飼えない、というかやっかいなことになるのは目に見えていた。
我が家は分譲賃貸のマンションで、個人オーナーが家賃収入を得るために自分の購入した部屋を貸しているのだ。だから、大家さんがマンション自体を所有しているふつうの賃貸とは事情が違う。ふつうの賃貸なら、大家さんの一存でペット可にすることもできるかもしれない。でも、ペット飼育を禁止している分譲マンションの場合、その1室を所有しているにすぎない個人オーナーが勝手にペット飼育の許可を出せるはずはなかった。
ならば、里親を探すしかないのか?