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17.無事、飼い猫になる

 12月30日。朝8時ごろ起きると、ナナンが鳴き出した。いつものカリカリを与えたが、落ち着かないらしくなかなか食べない。いつもはエサが出てくると喜んで食べるのに・・・。うろうろしたりニャアニャア鳴きながら、やっと半分食べた。そのあと、ナナンはリビングのチェストやテレビ台の下にもぐりこんで鳴き続けた。私たちも、リビングの床に寝転がってテレビを見ていたが、疲れたのでうとうと昼寝をした。

 そのうち、テレビ台の下から出てきたナナンは、今度は台所のほうへ行き、ワゴンの下にもぐりこんでしまった。今だ、とばかりリビングに掃除機をかけ、電機カーペットを敷いた。

 本当は、この日はホームセンターに買い物に行ったり、荷物を片付けたりするつもりだったのだが、2人ともなにもする気がしなくて一日だらだらしていた。ナナンは、猫トイレにも行かず、エサもほとんど食べず、ひたすらワゴンの下にいた。そんな様子に、どうなることかと気が気でなかった。

 夕方になって、心配した両親が伯母とともに訪ねてきた。一緒に鍋を食べたが、心配がつのって食欲がわかない。母が「ナナンにとったら拉致されてきたようなものなんだから、しょうがないよ。慣れるまで待つしかないよ」と言った。母と伯母は関係ない話をして気をそらそうとするが、私たちはちっとも盛り上がらなかった。

トイレの砂を掘っているところ

 両親と伯母がいる間、ナナンはずっと台所のワゴン下にいた。母や伯母が声をかけて抱こうとしたが、全然出てこなかった。しかし3人が帰ったとたんに出てきて、エサを半分食べ、水をがぶがぶ飲んだ。そしてようやく猫トイレでウンチとオシッコをした。トイレさえ覚えてくれれば、もう心配はない。猫は、一度トイレを覚えたら他の場所ではしない習性なのだ。そそうをする心配さえなければ、出かけることもできる。良かった良かった、と感動して2人で喜んだ。


 2002年の大晦日。明け方ごろ、またニャアニャア鳴いているようだった。少し気になったが、もういいやと寝てしまった。朝起きると、ナナンはまた臆病猫に逆戻りしたかのように、テレビ台の下で鳴いていた。でもエサはしっかり食べた。

 トイレを覚えてくれたから一応大丈夫だろう、ということで、ナナンをそのままにして午後から買い物に出かけた。夜7時ごろ帰ってくると、ナナンはまた台所のワゴン下にいたらしく、そこから出てきた。エサもしっかり食べた。

椅子の上で寝る

 私が夕飯を作っているあいだ、JKがナナンをかまっていると、伸び〜をしたり、ゴロンと床に寝転がったり、いつもやっていた行動をするようになった。しかも、以前は腹だけはなでられなかったのに、なでさせてくれた。私が近づいても腹を見せて、なでさせてくれた。また2人で感動した。

 ごはんを食べ終わって「紅白」を見ていると、ナナンはダイニングの椅子に飛び乗って猫箱になった。私たちが起きている間中、そうやって椅子の上で箱になったりとぐろを巻いたりして寝ていた。

 新居の近くにはお寺がある。11時半ごろ、除夜の鐘が聞こえてきた。なま「除夜の鐘」を聞きながら、お風呂に入って寝た。ナナンはまた鳴いていたが、もうあまり気にならなかった。


 2003年の元日。朝起きると、ナナンはリビングの電気カーペットの上にいた。エサも元気に食べた。猫ケージに爪とぎ板をくくりつけておいたら、そこで爪とぎをすることも覚えてくれた。おりこうさんだ。

 この日は一日留守にしてみた。午前中から午後にかけて、高校の先輩の家で新年会、そのあとは実家へ行った。夕飯を食べて夜9時ごろ帰宅すると、ナナンは静かに寝ていた。エサの袋を出すと、ごはーん、とにゃあにゃあ鳴き出した。

カーペットの上で長々と寝転がる

 1月2日。すっかり電気カーペットの上がお気に入りになったらしく、ナナンは一日中そこで寝ている。この日は、朝9時前にJKの実家へ向けて家を出た。夜10時半ごろ家に帰ると、玄関の電気を付けて行ったせいか、ナナンは玄関の明かりが見えるダイニングの椅子に座っていた。猫トイレにはおしっこがしてあった。エサを食べて、水を飲んで爪とぎをして、満足して寝ていた。

 1月3日。もう明け方ににゃあにゃあ鳴かなくなった。朝起きてリビングに行くと、先に起きていたJKとナナンが電気カーペットの上で寝転がっていておもしろかった。ほほえましい光景だった。


 こうしてナナンは実質3日ぐらいで慣れてしまい、無事に我が家の飼い猫となった。ときどき窓の外を見ようとすることはあるが、出たがるそぶりはない。今はもう、すっかり我が家を自分のナワバリと認識しているようだ。ナナンの、臆病ゆえにナワバリの外には行きたがらない性格もあるだろうけど、やっぱり病院で買った「フェリウェイ」の効果は絶大だった。つくづく良い病院を紹介してもらったと思う。

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