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11.命名「ナナン」

 猫の名前は、最終的に「ナナン」に落ち着くまでたくさん候補があった。

 ナナンが来るようになってまだ間もないころ、母が「ベランダに住み着いたから「ベラ」ちゃんは?」といってきた。しかしそれじゃまるで「妖怪人間ベム」みたいでかわいくない。即却下した。

 一時期「さくら」に決まりかけたこともあった。でもなんだかしっくりこなくて、そのうちなんとなく「にゃーん」と呼ぶようになってしまった。「にゃーんにゃーん」とよく鳴く猫なので、ぴったりだったのだ。

 でも、ペット可の家を探すことにしたのだし、呼び名が「にゃーん」では、永久にノラ猫のままのような気がしたので、そろそろちゃんと名前をつけようということになる。

 で、「メイ」がいいんではないかと思った。初めて会ったのが5月だから、英語のMayで「メイ」。しかしやっぱりいまいち決め手にかけていた。そこで次に考えたのが「ナナ」だった。7月から本格的に世話をしているからという理由。しかしどうも「ナナ」って顔じゃないなあ。

 なら、「May」を他の言語で読むのはどうだろう?と思って、「5月」のドイツ語読みを調べてみた(ヒマだな・・・)。ドイツ語で5月は「Mai(マイ)」という。・・・「メイ」と大して変わらない。

 「メイ」か「マイ」かはたまた「ナナ」か、しばらく悩んでいた。JKにも何がよいか聞いたが、「何かに名前を付けたことなんかないから、わからん」とそっけない返事。そこへまたまた母が、「南側から現れたから南と書いて「ナン」ちゃんは?」といってきた。しかし「ナンちゃん」では「ウッチャンナンチャン」みたいだ。そのうち相方が現れてしまうではないか。それに、なんか男の子っぽい名前だからどうも気に入らない。

「ナナン」と命名された頃。ベランダの簾は、こんなふうに左端だけ猫が通れるようにめくられていた。

 そこで、いまだに捨てがたい「ナナ」と「ナン」を合わせて「ナナン」にしようと思いついた。うん、これはなんかしっくりくる。今まで「にゃーん」と呼んでいたから、最後が「ん」で終わったほうが語呂もいいし。母に話したら、「あら、いいんじゃない」と言ってくれた。これが、10月25日のことだった。

 それから3日。ようやく「ナナン」に定着した感が出てきた。JKも「NANAN」って英字で書くと、上から読んでも下から読んでも「ナナン」だね、と言って気に入ってくれた。今まではどんな名前を考えても、JKはその名前で猫を呼ぶことはなかったが、今回は自然に「ナナン」と呼んでいた。

 こうして、この猫は「ナナン」と呼ばれることになった。

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