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参考にした本7冊

ナナンがノラ猫だった頃、猫のことを知ろうと思っていろいろな本を読みました。その本をご紹介します。

ネコロジー―ノラ猫トイとその仲間たちの物語



坂崎 幸之助


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 あのアルフィーの坂崎さんの著書。とにかく坂崎さんの猫への愛情には頭が下がります。

  音楽のほか様々な芸能活動をする傍ら、いくら好きでやっていることとはいえ、たくさんのノラ猫の面倒を見るなんて普通できません。売れない暇な芸能人ならともかく。いや、売れなければ経済力もないわけなので、やはり稼いでるからこそできるワザなのか。

  いわゆる「猫おばさん」や「エサやりおばさん」など、ノラ猫の面倒を見るボランティアさんの中には、猫のことに一生懸命になり過ぎて自分の人生を犠牲にしてるんじゃないの?と(あくまで端から見ていてだけど)思ってしまうような方もいらっしゃるけれど、坂崎さんの場合は自然体で無理せずできる限りのことをする、という姿勢なのがいい。

  ところで、なぜノラ猫の面倒を見る人たちがいるのか、そもそもなぜノラ猫がいるのか。それにはやっぱり原因があるわけで、その辺の事情も分かりやすく書かれている。ノラ猫をめぐる実態を知るための入門書としてもお薦めではないかと思う。

猫語の教科書



ポール ギャリコ
灰島 かり

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 この本は、猫が書いた原稿を、著者ポール・ギャリコが翻訳したという設定になっている。

  内容は、猫が人間とうまく付き合っていくためのノウハウをまとめたもの。決して人間に猫語を教えてくれる本ではない。猫による、猫のための指南書なのである。

  この著者猫の世渡り方法といったら、猫を飼っている人には「そうそう!」と思い当たる点がたくさんあるのではないだろうか。我が家の場合、ノラ猫がうまく人間に取り入って飼い猫になる様子がうちのナナンそっくり。さてはナナン、これを読んで我が家にやって来たのか?と思ってしまった。

おおねこさん



おまた たかこ


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 この絵本の作者も、“おおねこさん”と名づけた大きなノラ猫の面倒を見るうちに離れがたくなり、結局一緒に住むために家を建ててしまったというツワモノだ。

 この絵本は、“おおねこさん”と作者の、出会いから引っ越しまでの2年間をつづった観察記録になっている。

  イラストは柔らかいタッチでかわいらしく、“おおねこさん”のふさふさした毛の感じとか、表情とか仕草とか、とてもリアルだ。本当によく猫のことを観察して描いてるな〜と思う。それはきっと作者が“おおねこさん”に対して強い愛情を持っているからなのだろうし、そのことが本全体を通してよく伝わってくるのだ。

  私も結局はナナンを連れて引っ越し、ノラ猫を飼い猫にすることに成功したクチなんだけど、この絵本は実話だけにものすごく励まされたし、目標にもなった。まあ、うちは未だに家は建っていませんけどね。

  ちなみに、“おおねこさん”が家の中で暮らすようになったら、ノラ猫時代とはまた違った問題が起きていた。「幸せだね、良かったね」で終わりじゃなくて、「生き物と暮らすということ」は楽しいだけじゃない、こんな大変なこともあるよということがさりげなく描かれているのが、この本のいいところだ。単に「かわいい」だけでは、やっぱり動物は飼えないと思うから。

ノラや



内田 百けん


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 文壇ではきっと大物であろう百關謳カが、家に居着いた猫の「ノラ」が行方不明になったことを嘆き悲しむさまが可笑しいやら泣けるやら。ノラを心配するあまり、風呂にも入れずごはんもろくにのどを通らず、奥さんや編集者たちは困惑するばかり。

 今まで特に猫好きだったわけでも、大してかわいがっていた風でもなかったくせに、いざ居なくなってみるとその存在の大切さに気がつく、という心情はよく分かる。

 そして周囲を巻き込んでの「ノラ」探しが始まるものの、その甲斐もなく結局ノラは見つからない。

 その間の百關謳カの憔悴ぶりがあまりにすごいので、「ああ早くノラちゃんが見つかるといいねえ」という気持ちになって読んでしまう。

  実際、当時そういう激励の手紙が届いたらしい。いつの時代も猫好きな人っているものだな。その反対に、「ノラ」のことでいたずら電話をかけてくるヤツもいた。昭和30年代だというのに、こういう嫌な人っていつの時代もいるんだなあと、これまた感心(?)してしまった。

 その後飼い始めた「クルツ」との交流もほほえましい。尻尾以外は「ノラ」そっくりな「クルツ」と暮らしてもなお「自分は猫が好きなわけではない」と言い張る老作家。でも「ノラやクルツが好きなのであって、猫が好きなのではない」とかいうその言い分は、なんとなく共感できる。

 そして、やがて訪れるクルツの最期。年老いた先生が迎える愛猫の死は辛い出来事だっただろうけど、「ノラ」のように行方不明で生死も分からないという状態ではないし、事故死でもなく、最期を看取ってやれたことが救いだと思った。

ビーの話



群 ようこ


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 群さんちの隣に住む猫「ビーちゃん」と、ビーちゃんの2人の飼い主との交流や、近所のノラ猫たちの話を綴ったエッセイ。

 基本的にはビーちゃんの話が多いけど、ノラ猫たちの行動録や、かれらの面倒を見る人々の話もおもしろい。特に「トリオイちゃん」とか「きたなマスク」とか、猫たち(時には人間も)に対するネーミングセンスが抜群で笑える。

 ちなみに本編では「モリタさん」となっている隣人が、巻末の対談で女優・もたいまさこだということが判明する。ビーちゃんは、かの「やっぱり猫が好き」という番組名の由来になった猫なのだそうだ。

おかめなふたり



群 ようこ


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 群さん自身が初めて飼うことになる猫「しいちゃん」との出会いや、しいちゃんの成長過程で起こるさまざまな出来事、猫との知恵比べ、猫同士の争い(?)などが描かれている。隣家の飼い猫ビーちゃんとその飼い主たちも登場するので、「ビーの話」の続編的エッセイでもある。

 猫関係の著作も多い群さんなので、すでに猫を飼っているのかと思っていたら、確かに実家に居た頃は猫を飼っていたけれど猫の面倒はお母さんが見ていたため、自分で猫を飼うのは初めてなのだとか。意外。

  しいちゃん相手に奮闘する日々を知ると、やっぱり1人暮らしで働きながら動物を飼うのは大変なことだと思った。それでも、猫と暮らす楽しさはたくさんあるけれど。

猫パンチを受けとめて



南里 秀子


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 キャットシッターの南里さんが、その仕事を通じて出会った猫(と飼い主)たちのエピソードや、自身の猫体験を綴った本。この本に出会ったことが、私たち夫婦とナナンの運命を決定付けたといっても過言ではないかもしれない。

 ノラ猫を完全室内飼いの家猫にすることなんてできるんだろうか?と悩んでいた頃、たまたま手に取ったこの本に、南里さん自身の経験として似たようなことが書かれているのを読んで「これだ!」と飛びついた。

  ノラ猫ボランティアさんとはまた違った視点での「猫観」は、頼もしくもあり励みにもなった。折りよくプランタン銀座でサイン会をやっていたので、会いに行ってしまったほどだ(ノラ猫騒動記「やっぱり猫と一緒に住みたい」参照)。

 この本は、ノラ猫よりは飼い猫のエピソードが多いんだけど、本当に猫の数だけ個性があるし、飼い主もいろいろな人がいるものだ。そして、かれらと接してきた体験に基づく南里さんの考え方は、彼女ならではの説得力がある。これから猫を飼う場合、あるいは今飼っている人にとっても、どうすることが猫のために良いのか参考になると思う。

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