2006年2月19日

かもめ食堂

category: — abetomo @ 13:19:12

3月公開の映画「かもめ食堂」の原作を読んだ。

かもめ食堂 かもめ食堂
群 ようこ
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映画のために書き下ろしたそうだから、サチエをはじめ3人の日本人女性は「あて書き」なのかな?イメージがぴったりだった。というか映画の宣伝を見てから読んだので、そう思ってしまうのかもしれないけど。

日本人女性サチエがフィンランドのヘルシンキで食堂を営む話で、最初はお客さんが来ないんだけど、やがて日本オタクのトンミくんが常連となり、ワケありの日本人旅行者ミドリやマサコと知り合ううちに、他のお客さんも来るようになって少しずつ地元に溶け込んでいく様子が描かれている。

読んでいて、ほんわか温かくなる小説だった。

38歳のサチエがフィンランド人には子供にしか見えず、東洋人の子供が1人でいる謎の食堂として近所で話題になるものの誰も入ろうとしない。という出だしが面白くて、すぐ引き込まれた。異質なものを排除するでもなくフレンドリーに接するでもなく遠巻きに噂する人々、という情景がなんか目に浮かぶようで。

人物描写も面白い。トンミくんの日本オタクぶりや明るい人柄、サチエたちとのやり取りは可笑しくて、早く実写を見たいと思った(本当にこの通りやってくれるかな?)。サチエやミドリ、マサコそれぞれの「なんでフィンランドなのか?」という経緯も面白く、なかでもミドリのOL時代の描写は群ようこの本領発揮という感じ。

食堂なだけに食事に対する考え方がたびたび語られるんだけど、それって大事なことだよなあとハッとさせられた。特に、サチエのお父さんとおにぎりのエピソードには泣けた。それから、フィンランドは森林があって環境が良いから癒される、なんてのではなく、どんな国でも人間の喜びや悲しみは同じなんだ、という描き方をしているのも良かった。

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