月館の殺人
佐々木倫子待望の新刊。
| 月館の殺人 上 綾辻 行人 佐々木 倫子 by G-Tools |
上下巻構成らしいので、完結するまで待とうかと思ったけど、ネットで感想を見てたらおもしろそうだったので読んでしまった。
今までの作品に比べると「ものすごくおもしろい!」という感じではない。けど、あの独特の笑いは健在で、ああ佐々木倫子だなぁと思った。つうか、ミステリーなのにコメディ調に仕上がってるのはさすがだ。
それにしても、佐々木倫子が綾辻行人原作でミステリーものを描くと知ったときは驚いた。あの作風で殺人事件なんて、どんな風になるのかまったく想像つかなかったし。
で、たしかにタイトル通り殺人事件は起きるんだけど、9割ぐらいが佐々木倫子的コメディなので、あんまり陰惨な感じはしない。だから本格ミステリーみたいなのを期待して読む人はイマイチと感じるかもしれない。逆に佐々木ファンにはおもしろいと思う。もっともまだ上巻なので、この後どうなるか分からないけど。
以下ネタバレ。
- 主人公・空海のキャラが、今どきの女子高生にはあり得ないくらい古風だ。ハムテルといい伊賀くんといい、なぜ佐々木作品の主人公は浮世離れした人物になるんだろう。
- 空海のお母さんて、伊賀くんのお母さんっぽい。ハムテルのおばあさんやお母さんもこの系統だなあ。こういうキャラも必ず出てくるね。
- テツの人たちはどうして自分はテツじゃないと言い張るのか。実際そうなんでしょうか?笑った。
- 時刻表テツに乗りテツ、撮りテツ、模型テツ…鉄オタにもいろいろな種類があるんだなあ。奥が深い。
- 上巻の冒頭で、テツの人々ともみ合って倒れたのが空海のお父さんなのかな?そしてあれが原因で亡くなったから、お母さんは鉄道嫌いになってしまったのか?もしくは、空海の「おじいさま」が鉄道オタクだったとか。
- 沖縄に移住したのは、当時まだ沖縄には鉄道がなかったからだろうな。ゆいレールができるなんて、お母さんは思いもしなかったんだろう。
- 日置さんはなんであの列車に乗ったんだろう。空海は日置さんがボディーガードとして乗り込んだと思っていたけど、そもそも弁護士さんのセルシオが立ち往生したところへ偶然通りかかったんだから矛盾する。それとも本当に探偵として雇われていて、事前に打ち合わせて偶然を装ったのか。
- アライグマに餌付けしてる乗員がいたけど、走ってる列車から餌付けするのっておかしくないか?
- ラストのあの廊下はどうなってるんだ?今まで走ってたはずなのに、突如としてお屋敷につながっているというのはどういうことか。しかも列車の先頭が屋敷に突っ込んだんなら分かるけど、つながってるのは最後部だったし。本当に走ってたのか?
うーん、続きが気になる。去年の12月から連載スタートで今年8月に上巻が出たということは、下巻が出るのは来年4月ごろか?とりあえず上巻ラストの続きは8月25日発売の連載誌で読める模様。